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ベジタリアンとヴィーガンの違いを解説

SDGsやサスティナブルといったワードが広がるにつれて、最近よく耳にするようになったヴィーガン(ビーガン)というワード。

日本にはもともと精進料理をはじめとした菜食中心の食文化が根付いていますが、ヴィーガンやベジタリアンのライフスタイルは、一部の意識高い系の人だけのものとして、一般的には敬遠されがちでした。

ですが、最近は日本でも関心を持つ人が増えています。

ヴィーガン(ビーガン)やベジタリアンは、一言で大まかに言うと「菜食主義」の代表格のことで、ヴィーガン(ビーガン)とは、動物性食品を口にしない100%植物性由来の食事やライフスタイルのこと。

では、ベジタリアンとどこが違うのでしょうか?

実際、ヴィーガンとして7年ほど暮らした私が、その違いを詳しくご紹介していきます。

目次

ベジタリアンとは?

ベジタリアンと聞くと、なんとなく野菜と果物しか食べちゃいけないイメージがあると思います。

でも実際のベジタリアンの定義は、「肉や魚を食べない」けど、「卵や乳製品は食べてOK」というのが基本。

穀物・野菜・豆類などを積極的に食べて、肉類や魚介類を摂らないというだけで、肉を基本的には避けているけど、牛乳やチーズ、バターなどの乳製品や卵は食べる、たまに一部の動物性食材は食べるなど、さまざまなタイプが存在します。

ベジタリアンのベジとはラテン語のvegetus(ベジェトゥス)が語源で、「健全な」「新鮮な」「活力のある」という意味です。

今から170年前の1847年に発足した英国ベジタリアン協会で初めて使われた言葉だそうです。

ベジタリアンの種類

ベジタリアンはざっくり分けると、以下の4つに分類されます。

  • ヴィーガン(植物性食品のみを摂取)
  • ラクト・ベジタリアン(植物性食品と乳製品を摂取)
  • ラクト・オボ・ベジタリアン(植物性食品と乳製品、卵を摂取)
  • ペスコ・ベジタリアン(植物性食品と魚、卵、乳製品を摂取)

ですが、ベジタリアンは多様性に満ちており、さらに細かく分けると以下の表のようになります。

ラクト・ベジタリアン肉・魚・卵は食べず、乳製品をを食べる
オボ・ベジタリアン肉・魚・乳製品は食べず、卵製品をを食べる
ラクト・オボ・ベジタリアン肉・魚は食べず、乳製品と卵製品をを食べる
ポーヨー・ベジタリアン肉類のなかでは鶏肉のみを食べる。乳製品、卵製品を食べる
ペスコ・ベジタリアン肉・魚・乳製品・卵製品を食べない点ではヴィーガンと同じ。
五葷(ニンニク、ニラ、ラッキョウ、タマネギ、ネギ)を使わない。
オリエンタル・ベジタリアン肉は食べないが、魚・乳製品・卵製品を食べる
セミ・ベジタリアン可能な限りは菜食で、まれに動物性の食品を食べる
フレキシタリアン基本的には菜食で、時と場合によっては柔軟に動物性の食品も摂取する

他にも、「畜肉は食べないが魚は食べる」「鶏肉は食べる」といったスタイルの人も。

こんな風に、SDGsなど多様性の時代ですので、ベジタリアンの定義も食のスタイルも、自由でフレキシブルな流れになっていきそうですね。

ヴィーガン(ビーガン)とは?

肉と魚だけ食べないベジタリアン(菜食主義)よりも、さらに食事内容が制限されるのがヴィーガン(完全菜食主義)です。

非常にストイックな考え方で、動物がうみだす牛乳・卵・バター・チーズ・はちみつなども食べません。

また最も大きな違いとしては、単に食生活を表すベジタリアンに対して、ヴィーガンは食を含むライフスタイルや思想、哲学まで含まれているところ。

例えば毛皮やウール、レザー製品を着用しない、動物実験などが行われていない植物性由来のコスメを愛用するなど、ヴィーガンは食だけに限らず動物の命を尊重し、自然や地球環境にも配慮したライフスタイル全般を指します。

ヴィーガンになる動機は人によってそれぞれ違いますが、健康や美容への影響のほかにも、動物愛護や環境問題などの観点から、ヴィーガンのライフスタイルを選ぶ人もいます。

マクロビとヴィーガンってどこが違うの?

マクロビとヴィーガンの違い

日本でも知られている「マクロビオティック」とベジタリアンの違いについて。

日本発祥のマクロビ(マクロビオティック)は、「一物全体」「陰陽調和」「身土不二」の三大理念のもと、自然の流れに逆らわず、健康に良く長寿を目指すライフスタイルや食事法のことを指します。

動物性食品をなるべく摂取しないよう心がけた玄米菜食で、厳格な決まりというものがありません。

一方でヴィーガンはあらゆる動物性食品、製品を排除したストイックな菜食主義。

つまり、両者の違いは禁止事項があるかどうかというところですね。

ベジタリアンやヴィーガンと似た、その他の食のスタイルも一緒に紹介しておきます。

ペスカタリアン牛や豚などの肉類は食べないものの、魚介類は食べる菜食主義者。 
日本の精進料理に近いスタイルで魚も食べる。
マクロビアン日本発祥の玄米菜食。肉や卵、乳製品や白砂糖などはNG。
白身魚や小魚は少量なら食べてもよい。
フルータリアンフルーツやナッツなどを食べる果実主義者。
穀物や調理加工されたものを採らない。

日本の精進料理はヴィーガン?

精進料理は、仏教の戒律に基づいた料理で、古来より日本の文化にあったもの。

諸説ありますが、肉、魚、卵などの動物性食品は使わず、五葷(ごくん)と呼ばれる食材(ネギ属のニラ、にんにく、ねぎなど)も用いないのが、一般的な精進料理のスタイルと言われています。

精進料理で使うことができる食品は、植物性のものなので、野菜類、穀類、海藻類、豆類、木の実、果実などを使うことができます。

仏教では「殺生」や「煩悩」を避けるように定められているため、精進料理の大きな特徴は、動物を殺生しないということともいえます。

そういった面でも、ヴィーガンとの通ずるものがあるといえそうです。

ヴィーガン・ベジタリアンの有名人

海外では、セレブなどの有名人が菜食主義者を公言するケースも多く、たくさんの有名人がヴィーガン生活を実践しています。

例えば、海外の有名人ですと、女優のナタリー・ポートマン、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ、ファッションデザイナーのステラマッカートニーなどは、ヴィ―ガンの海外セレブとして世界的に有名です。

日本でも、アーティストの藤井風さん、タレントのローラさん、モデルの吉川ひなのさんなど。

またお笑い芸人の小籔さんは、幼い頃から野菜と魚を食べる生粋のベジタリアンとして育ったそうです。

このような著名人がヴィ―ガンのライフスタイルを通して社会問題に取り組む姿に影響されて、ストイックではないけれどできる範囲で楽しみながら、ベジタリアンやヴィーガンの食生活を取り入れる人が増えています。

まとめ

ビーガンは卵や乳製品を食べない人たち、ベジタリアンは人によって卵や乳製品を食べられる人たち。

卵や乳製品を食べるかの違いです。

そのため、ベジタリアンは菜食主義、ヴィーガンは完全菜食主義と呼ばれています。

近年は健康意識の高まりと共に、普通のスーパーでもオーガニック食材や無添加食品、大豆ミートなどの植物性の食材がとっても手に入りやすくなりました。

海外からの旅行者が増えた影響で、スタバでも牛乳だけでなく、ソイミルク、アーモンドミルク、オーツミルクなどが選べるようになり、レストランやカフェではヴィーガンやベジタリアン対応のメニューも増えています。

世界の人々が異なるものを受け入れる時代。

日本には古来から「精進料理」が存在していますが、「ヴィーガン」と聞くとなぜか抵抗を覚える人も少なくはないというのもなんだか不思議な気がします。

ヴィーガンやベジタリアンというと、これまでは一部の意識高い系の人だけのものでしたが、日本でも今後、こういったヘルシーな食生活がますます注目されそうです。

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この記事を書いた人

元コピーライター。大手メディア勤務、企業PRなどを経て2020年に独立。
現在はWEBコンサルティングや女性の起業・副業支援、ライティングセミナーを開催。宝島社の雑誌「スマホトクする話」に実績掲載。関西の人気番組「魔法のレストラン」にも出演経験あり。海外経験やサスティナブル分野への知識が豊富です。

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